鑑定報告。
症例は2才5ヶ月女児。
保育園から帰宅すると、まず「パイ、チョーダイナー」と両側飲む。
夕食後や湯舟でも短時間飲むこともあった。
寝る時には腕枕を要求しての哺乳。
寝た頃を見計らって口から外されると、母に背中を向けて寝返り、足を母の腹にのせる。
この後2~3回夜間も哺乳行動を認めた。
目的を誤って母の背中や姉の腹を探す行為も見られた。
この哺乳を検討したところ、全て『乳児嚥下』で行われていた。
すーはー、すーはーの呼吸を背景に、クカクカクカと別のリズムが同時に行われていた。
一般には『乳児嚥下』は2才半で確実に消失すると言われているが、 今後いつまで可能なものか、次の機会に経過を報告したい。
いきなりですが、前回気がついた乳児嚥下についてでした。
単に我が家の授乳風景なんですが。
みなさんのお宅ではどんな様子ですか?
本題いきます。
ステップ2は『口へくわえさせる』。
その前に、口へ入れる乳首の準備。 空いている方の手で、乳房を持ちます。
親指が上、他の指は下側で、包むような感じ。 コツはただ一つ、下側の指が乳輪にかからないように「C」の字をイメージしてください。
先端部が平均して口に入らないと、痛みの原因になります。
口をあけさせる
さあ、口を開けてもらいましょう。
赤ちゃんの持っている反射のひとつにその仕組みがあります。
先に書きましたが、反射。
考えずに(脳の判断を経由せず)自動的に体を動かすシステムです。
「飲ませようとすると首を振っていやがる、こんなにきらうなんて、泣けてきた…」という授乳の感想(そして、おっぱいがいやならミルクにしたら?なんてアドバイスがきてたりする)を見かけるのですが、
「ちがーう!!それは反射!」。
反射なので赤ちゃんは考えていませんってば。
「いやがっている」のではなく「乳首を探す自動運動」です。
それがRooting Reflex 追いかけ反射。
唇の口角へ軽い刺激が加わると、口を刺激部位へ移動させようと頭部が動く、という一連の運動です。
具体的には
口角の、刺激された方向へ頭を回す。
上唇では、口を開いて首を伸ばす。
下唇だと、口は開いてあごを下げる。
…..自分でやってみました?
刺激の方を「追いかけて」いますよね。
この自動運動がみられるのは生後5ヶ月ころまで。
発達するにつれ、消えていく原始反射なのです。
そこから先は、自分の意志で探す段階になるのでしょう。
で、この反射を誘発するのには、どうするか?
最初に戻ります。
正しい位置で持った乳首で「ちょんちょん」と(ほれっほれっ、うりうり、おらおら、何でもいいですけど) 唇を刺激してみる、だけです。
外側を向いている赤ちゃんを母の方へ向かせようと、外側のほっぺたを刺激する、と、 ますます反対方面を探してしまうので、御注意を。 こういう動きが、いやがっているように見えるのかもしれません。
新生児反射って、単なる「運動」なのですが、お母さんには「感情を伴った行為」に見えて、 いろいろ心配になってしまうんです。
にくいやつ。
正しい刺激は、こっち向いて、と母に近い唇(口角)をつついてくださいね。
入れる
ちょん、ちょん、の刺激で赤ちゃんはこっちを向いて、口を開けます。
ま、気分じゃなくって、開けない時もありますが……
そういう時の裏技紹介。
再度刺激をする、声をかける「口を開けてね?あーん?」、お母さんがあーんと口を開けてみせる、なども。
(赤ちゃんは顔真似できるんですよ-、じつは。)
おっきく口を開けました!
さあ、ここで素早く!
乳首を入れると同時に、だっこした腕で赤ちゃんを引き寄せる!
もいちど書きます。
入れると同時に引き寄せる!
これが大切なところ。
心情的にもついつい赤ちゃんの方へ寄っていってしまうんですが、違います。
こっちへ来てもらうんです。