モーハウスサポーターである吉田教子助産師さんよりお産に関する用語集です。

アクティブバース

陣痛や分娩時に、立ったり座ったり、歩いたりひざまずいたりしゃがんだり、自分にあった姿勢をとること。産ませてもらう受身のお産より安全で効率的なお産と言える。

アトニン

陣痛促進剤の一種

アフタービクス

妊娠前の体型・体力を取り戻すためのエクササイズ。

αβテスト

出世前診断参照

アロマテラピー

リラックスさせたり、ホルモンバランスを整えるなどさまざまな効果あり。分娩中にハーブオイルを浸したガーゼ(主にラベンダーオイル)を枕元に置いたり、微弱陣痛の時に、アロマで足浴して陣痛の増強を助けたり、産後にハーブオイルによる全身マッサージを用いて体を癒す。

イメジェリー(イメージ誘導法)

妊娠中から心の中に安産に導くイメージトレーニングすることで、お産の印象をよくし、お産や赤ちゃんに対して肯定的になれるトレーニングをして望む出産のこと。

会陰切開

正中切開または正中側会陰切開

会陰裂傷

膣と肛門のあいだの筋肉のことを会陰という。出産時会陰は薄く伸ばされが、切れやすいことから、産科医は「自然に裂けてしまうと、あとが縫合しにくいので、ハサミで切開したほうが、縫目もきれい」という考え方で切開を入れる傾向がある。だが、無理にいきむことがなければ自然に会陰は伸びる。日本の助産師は会陰保護の技術を持っている。女性の性器を切るということについて、夫である男性も考えよう!

LDR

入院、陣痛、出産、産後をひとつの部屋で過ごす部屋。部屋の中は、普通の家庭の部屋のように工夫されている。いざ生まれるときに分娩ができるベッドに電動で変わる。

NST(nonstress test)

妊娠後期からお産まで、赤ちゃんが元気かどうかチェックするための検査のこと。おなかに外測用のベルトを2本巻いて、胎児心拍の変動と陣痛の有無を約20分ほど計る。特に出産予定日を越えたような場合や、高血圧、妊娠中毒症、胎児発育遅延など、リスクの可能性が高い妊婦の管理に有効。

NICU

赤ちゃんが、未熟児で生まれたり何らかの異常があった場合に、高度医療を受けられる施設。

SMC(self-mamma-control 自己乳房管理)

諏訪マタニティークリニックの根津八紘医師が考案した自己マッサージ法。妊娠中から自分で乳房のマッサージを行い、母乳分泌を良くしたり、張りすぎなどのトラブルを起こさないための一定の自己手技法。

円座

産後、会陰の創や脱肛(痔)の痛みで座れないときに使用する。穴あきイスや座布団がある。

エモーショナルサポート

その人の感情を肯定し、受容に努め心に添う援助のこと。さらに、サポートされる側の立場に身を置き、個別・継続的に支援する。母乳育児のサポート体制で話題の用語。

オバタメトロ
医療用のゴム製のカテーテルに、ゴム製のバルーンを組み合わせたもので、管のついた風船。子宮口内に挿入して膨らませ、子宮口を広げたり陣痛をつけたりすることに使う(計画分娩や骨盤位分娩など)。
(新生児)黄疸

新生児期に認められる黄疸で、赤血球を構成するヘモグロビンの分解代謝産物で黄色の色素であるビリルビンが血液中に増加して、皮下や眼球結膜などの組織が黄染して見える状態のことを言う。大部分が生理的なものであり、生まれて3日目頃より出現し7日目頃に自然に消失するために特別な治療は必要ない

カンガルーケア

産まれたばかりの赤ちゃんを母親から離さないという発想。直接肌に抱いて母親としての喜びを感じている様子がカンガルーの 親子を想像させることからそう呼ばれている。出産直後にお母さんは下着を着けず胸の間に赤ちゃんを抱きあげる。肌と肌を合わせることで、赤ちゃんは出産時のストレスを癒したり安心感を得全身状態が安定し易く、お母さんは愛おしさを感じ、母乳育児への意欲やこれからの育児への楽しみを高める。

浣腸

陣痛の初期に排便しておくと、直腸内を空にして骨盤内に児の下降できる空間を作ると言われたり、浣腸をすることで子宮の隣の腸を刺激し、その運動が子宮を刺激して陣痛を促すと考えられているために行われる。浣腸は慣例的に行われている処置のひとつだが、浣腸を不快な人工的行為と感じる産婦もいる。反対に、分娩台の上で便が出てしまうのを不安がって、むしろ浣腸を望む人もいる。 現在では、便通を整えることで陣痛直前に自然排便があったら浣腸しないという施設が増えている。

過期妊娠(予定日超過)

妊娠42週以降の妊娠を過期妊娠という。予定日を2週間以上超過すると、胎盤の機能が低下することで胎児に影響を及ぼすことがある。

吸引分娩

赤ちゃんが出口寸前でなかなか出てこない事態の時に、吸引器を使って赤ちゃんを引き出す分娩方式のこと。

仰臥位

仰向けに寝ている状態のこと

急速遂娩

分娩進行中に赤ちゃんの心拍数の異常が出現したり、母親に緊急事態が生じた時、適切な処置を施しても改善されない場合に用いる分娩方法。帝王切開、吸引分娩、鉗子分娩などがある。

クアトロマーカーテスト

・出生前診断のひとつの方法。お母さんの血液を採って調べる方法。ただ、この方法では「赤ちゃんが異常を持っているかもしれない」という可能性を調べることしかできないため、最終的に羊水検査で確定診断する。
ケーツーシロップ

経口ビタミンK製剤。ビタミンKは血液を固まらせるために必要で、不足すると新生児早期の出血予防のため予防的に飲む。

血管確保

産婦さんの腕の静脈血管にビニール針のチューブを留置し、いざという時にいつでも薬剤や血液などを入れられるようにしておくこと。救急処置の基本的手技。

計画分娩
人為的に分娩の日時を計画的に選択し分娩を終了させる方法。自然の陣痛を待たずに、人工的に陣痛を付けたり、子宮の入り口を開いたりして分娩を行う方法。
母体や胎児に何らかのトラブルがあったり、ハイリスク出産のときの医療処置として行う場合と、産む側の希望で行う場合がある。他に、施設の都合で行われる場合もある。
硬膜外麻酔

無痛分娩の際選ばれる麻酔方法。背中の下のほう(腰椎)に針を刺し、まず細いチューブ(カテーテル)を入れて固定し、そして医師が経過を見ながら分娩に至るまで麻酔剤を少量ずつ何回か注入して分娩させる。

骨盤位(分娩)

逆子のこと。分娩時には赤ちゃんの臀部(単臀位)や足(複臀位や足位)が先進する。満期妊婦では約5%,妊娠8カ月では30%において骨盤位が認められる。骨盤位の危険は,先進部が頭位と比べてその周径が小さいので,破水時の臍帯脱出,後続児頭の通過障害などのため,児の低酸素症あるいは外科的損傷などを起こしやすいこと。分娩方法は,殿位では比較的試験分娩する施設あり。ただし、初産婦の骨盤位や複臀位や足位は帝切分娩の選択が多い。妊娠中の治療法は、胸膝位などによる逆子体操、外回転術、鍼灸療法などがある。

呼吸法

産婦のリラックスと産婦が息を止めることを防ぐ効果がある呼吸のこと。ラマーズ法やソフロロジー 式出産など、方法論によって呼吸の仕方が異なる。

臍帯下垂

破水前に臍帯が児の先進部を超えるか、または近傍まで臍帯が下降する状態を言う。破水後に同様な状態になったものを臍帯脱出と言う。臍帯脱出は、臍帯の圧迫による血行障害から胎児仮死となるために、極めて超迅速な対応すなわち急速遂娩術が必要になる。児死亡率が20%にも達する極めてハイリスクな分娩時合併症である。

逆子体操

逆子を頭位に直す体操。

産道

お産のとき赤ちゃんが通ってくる道。子宮下部、子宮頸管、膣、外陰部までをいう。これらの筋肉の道を軟産道、その外部にある骨盤の出口を骨産道という。子宮頸管が固く、子宮口が開きにくい場合や会陰部が伸びにくい場合などは、お産が長引くことがあるので、軟産道は柔らかくしておきたい(体操やマッサージなどで)。

3Dエコー

お腹の中の赤ちゃんの様子を3次元で見られる画像の超音波画像診断装置。赤ちゃんを立体画像でみられる。

前期破水

陣痛が始まる前に破水すること。細菌感染を起こす可能性があるので速やかに入院。

セミファーラー位

背中が少しギャッジアップされた状態の仰臥位

足位

骨盤位参照

側臥位

横に向いて寝ている状態

ソフロロジー

ヨガやイメージトレーニングを取り入れた呼吸法。陣痛は赤ちゃんが生れ出るための最も大切なエネルギーと感じられるようなトレーニングをする。産前学級で呼吸法を練習し、家でも癒し音楽を聴きながら繰り返し練習することで、本番も癒しの音楽を聴きながらお産に望む出産法。

蹲踞位(そんきょい)

お相撲さんがしこを踏んだ状態のかっこう。産婦さんはいきみやすく、赤ちゃんは下降しやすい体位。

胎児徐脈

何らかの子宮内の変動で通常の心拍数をキープできず、心拍数が下降すること。低酸素や臍帯圧迫などさまざまな原因がある。

胎盤位置異常(低位胎盤、前置胎盤、辺縁前置胎盤など)
・前置胎盤…普通は子宮の奥のほうにある胎盤が子宮口を塞ぐ形で位置している場合で、診断された時点で出産方法は帝王切開。
・辺縁前置胎盤…胎盤の辺縁が子宮口にかかっている場合で、出産時出血が多くなる可能性があるので帝王切開の可能性が高い。
・低位胎盤…子宮口にはあたっていないが、子宮の下の方に位置している場合。自然分娩できる可能性が高い。
ダブルセットアップ

試験分娩参照

単臀位

骨盤位参照

胎盤機能異常

胎盤の機能が衰えること。出産予定日をすぎると、機能が落ちることがあり、胎児に酸素や栄養がいきにくくなり影響がでる。予定日を過ぎると、胎児胎盤機能検査(NST)を行い、胎盤が正常に機能しているか判断する。

短(小)乳頭

乳頭部の長さが約1.0cm未満の乳頭。子どもが比較的吸いづらい傾向がある。

(妊娠)中毒症

妊娠によって、高血圧、むくみ、蛋白尿の症状が病的に出たもの。むくみ、蛋白尿の軽い症状は、妊婦によく見られるが、ひどくなると中毒症となり、それに加えて高血圧の症状が出た場合には、重症になることがある。重症になると、母子ともに危険な状態になる。むくみ、蛋白尿、高血圧の症状がひとつでも見られた場合には、軽々しく考えないこと。

導尿

陣痛開始後、膀胱に尿がたまっているときや帝王切開の際に尿管に管を入れて人工的に排尿させること。

乳頭吸引(器)

短小乳頭、扁平乳頭、陥没乳頭で乳頭の突出が十分でない場合、スポイドのような吸引器で乳頭を引っ張りだす器具

ニップルシールド

乳頭のトラブルで直接授乳困難な場合につける乳頭・乳輪部保護器

半剃毛

会陰部周辺のみの毛を剃ることをいう。これも慣例的に行われている処置だが、産婦の不快感も強く、剃毛によって感染症が減ったという証拠はなく、剃毛自体をしない施設もある。帝王切開の場合に性器のまわりの毛を全面的に剃ることを全剃毛という。

ハイリスク妊娠・出産

母親,胎児,または新生児の,出産前または後における罹病または死亡の危険が高い,または高いと予想される妊娠のこと。若年妊婦(15歳以下)、高齢初産婦(35歳以上)、母体肥満、低身長152cm未満、習慣性流産、死産や新生児死亡の既往、高血圧、頸管と腟感染(クラミジアなど)、煙、アルコール摂取、および薬物乱用、羊水過多および羊水過少、多胎妊娠など

半座位
深くもたれかかった座位
バースプラン(birth plan)

「出産計画」ということ。一生に数回しか遭遇しないだろう「出産」という出来事を、自分らしく、納得できる、そしてできれば満足感が得られる体験にするために、自分の出産スタイルを自分で考え、前向きに取り組むための施設への細かい要望のこと。産婦自身のしっかりした自分のお産へのビジョンが必要。

微弱陣痛

原発性微弱陣痛は分娩開始時から進行が遅延すること。 続発性微弱陣痛は、当初良好であった進行が途中から遅れること。

分娩誘発(誘発分娩)

医学的な適応と社会的な適応の2つがある。社会的な適応は、「計画分娩」ともいう。医学的適応 は、母体の妊娠の異常(重度の妊娠中毒症や合併症など)、胎児の状態が悪い場合、予定日超過の場合など。 社会的適応は、産婦さんの都合による希望、病院側の都合(勤務態勢や医師の都合など)。方法は器具を使ったり、陣痛促進剤を使う。

分娩遷延

分娩開始から初妊婦で30時間以上、経産婦で15時間以上たっても出産に至らない場合のこと

複殿位

骨盤位参照

分娩監視装置

NST参照

扁平乳頭

乳輪部より乳頭の突出がほとんどない場合

補助動作

呼吸法と合わせて行うリラックス法。(腹部や腰をさすったりする動作のこと)

マタニティビクス

妊娠中にもできるようにプログラムされたエアロビクス(有酸素運動)のこと

無痛分娩

硬膜外麻酔をし、陣痛の痛みを感じさせないようにする方法。分娩に対する不安感や恐怖感が強い場合や痛みのストレスが胎児や母体に悪影響を及ぼすと考えられる場合(妊娠中毒症、高血圧、心疾患合併妊娠等)には、有効な方法とされている。ただ、いきみ感が弱まることがあるため、陣痛促進剤を併用する場合が多い。

モニター

分娩監視装置(NST)のこと

輸液ポンプ

滴下量を一定に正しく点滴を入れられるよう設定できる点滴装置。

予定日

現在は、超音波検査によって正確な妊娠週数を推定し、予定日を算出する方法が多い。妊娠9~10週頃に胎児の頭の大きさを計って修正されることもある。

予定日超過

過期妊娠参照

ラマーズ法

呼吸法と弛緩法の反復訓練によって、精神和痛を試みる出産呼吸法。子宮の収縮状態(陣痛)に合わせて腹式呼吸法を繰り返し、本当のいきみが来るまで痛みをのがす。夫や産婦の信頼できる人のお産参加を勧めている。

リーブ法
中国気功法に準じ、ゆっくりした腹式呼吸を行うことにより精神的・身体的リラクゼーションを得る方法。 また、イメジェリーによって胎児に回旋を促したり、子宮口を開いたりと常に胎児を意識しながら母子の共同作業で分娩を進行させるという姿勢をとるという考え方。 痛みは乗り越えるものという基本姿勢とする。