モーハウス授乳服対談
授乳服で子育てのスタートを支援 茨城県桜川市

桜川市は茨城県西部に位置しており、人口38,233人、世帯数13,489世帯(令和4年1月1日現在)の自然豊かなまちです。南部には筑波山を臨み、市名の由来となった桜川の源流があり、観光では安産子育ての雨引観音がよく知られています。
桜川市では、令和2年10月より、子育て支援の一つとして妊娠中から使用できるモーハウスの授乳服のプレゼントを始めました。
「安心して子育てできるまちづくり」を掲げる大塚秀喜市長のもとに、授乳服のプレゼントを受け取った桜井清香(さやか)さんが、第3子の悠稀リクセルくん(生後1カ月)を連れて訪れました。桜井さんは、現在、ブータン人のパートナーとブータンにお住まいですが、出産のために故郷である桜川市に上のお子さんたちと里帰り中。授乳服ギフトの感想と、授乳服に託す大塚市長の思いを伺いました。

 

●授乳服プレゼントにびっくり!

――実は、桜井さんは以前からモーハウスの授乳服をお使いだったそうですね。

桜井さん そうです。この子の上に長女(小4)、長男(小1)がいますが、長女を出産した頃につくば市のモーハウスショップの近所に住んでいて、助産師さんから勧められたこともあり、一人目からモーハウスの授乳服ユーザーでした。
7年ぶりに、第3子の出産手続きのために健康推進課に行ったら、桜川市でモーハウスの授乳服のプレゼントをいただけると聞いて、もうびっくり! 買うつもりだったので、思わず「えーっ! もらっていいのですか!?」って(笑)。つくば市に住む友人からもとても羨ましがられました (笑)。市長、本当にありがとうございます!

大塚市長 それはそれは…(笑)。こんなに喜んでいただけて何よりです。

――授乳服のプレゼントを始めた経緯をお聞かせください。

大塚市長 妊娠中の女性に子育て支援用品をプレゼントすることで、出産・子育ての精神的・経済的負担を軽くしていただき、「安心して子育てできるまちづくり」を目指して始めました。授乳服のプレゼントにしたのは、授乳服のプレゼントを実施している他自治体の状況を聞いた現場職員からの提案があったからです。母乳育児の推進と、いつでもどこでも授乳できるような機能的でおしゃれな授乳服があれば、より気軽に外出ができ、お母さんたちの育児の楽しさや生活の楽しみの幅が広がるのではないか、とのことでした。
桜井さんは、授乳服を着ることで実際に外出の機会は増えましたか?

桜井さん はい、外出をあきらめるということはほぼないですね。日本では、電車、バス、車での移動中にも授乳できますし、車移動中もおじいちゃんや家族の前でも授乳できるので助かります。今はコロナで外食機会も減っていますが、家族と外食の際にも、その場で授乳することができますね。
ブータンと日本を往復する飛行機の機内でも大活躍です。日本からインドまで約8時間、さらにインドからブータンまで約3時間とかなりの長旅なので、逃げ場のない機内でもすぐに授乳できて、赤ちゃんをぐずらせずに済みます。

●妊娠後期に授乳服プレゼント

――久しぶりに授乳服を身に着けたご感想はいかがですか?

桜井さん モーハウスの授乳服は、外でやむを得ず授乳というときでも全く肌を見せずに授乳できます。出産祝いで他社の授乳服もいただいたりしたのですが、なかなかここまでの機能はなかったですね。デザインもいいので、授乳が終わってからもおしゃれ着として使っていました。
外出の際に、授乳ケープを使う方も多いと思うのですが、ケープを使うと赤ちゃんにとっては暗闇の中での授乳になってしまいます。赤ちゃんの様子を見ながら授乳できるのは、お母さんにとっても赤ちゃんにとっても安心できると思います。
 インナーは身に着けやすいのと授乳するときの機能が優れていて、とても着心地がいいです。素材も丈夫で、長男は5歳まで授乳していましたが、そのときに使って仕舞っておいたものがまだ使えるくらい(笑)。授乳専用インナー(縦に2つ穴が開いているインナー)は、冬でも暖かいし、お腹を出さずに授乳できて便利です。
インナー類は丈夫とはいえ新しいものを買おうと思っていたので、いただけて本当にうれしいです。初産婦でも、経産婦でもこれはすごく助かると思います。桜川市で生める特権ですね。

大塚市長 そう言っていただけると、本当にうれしいですね。*赤ちゃん訪問時にも授乳服のプレゼントについてのご意見を伺っていますが、「胸が張って痛みがあった妊娠中から産後も、授乳下着は締め付けがないのにフィットしていて快適」、「すぐに授乳できるので本当に便利」、「周りに見えずに授乳できるので、授乳ケープなしで気軽に外出できた」などなど、大変好評をいただいており、母乳育児の推進や外出のしやすさにつながっているようです。
*赤ちゃん訪問事業…桜川市では生後4カ月の赤ちゃんがいるすべての家庭に保健師・看護師などが家庭訪問し、赤ちゃんの身体測定・予防接種、お母さんの健康相談・育児相談を行っている。

――桜川市では出産後ではなく、妊娠中に授乳服のプレゼントをされていらっしゃるそうですね。

大塚市長 妊娠後期(妊娠7カ月以降)に面談を行った妊婦さんを対象に、授乳服のプレゼントを実施しています。
それ以前は、担当職員が初めて妊婦さんとお会いするのは母子手帳発行時で、次にお会いするのは出産後の赤ちゃん訪問時でした。授乳服のプレゼントを通して、妊娠後期の妊婦さんとお会いすることで、出産前に妊婦さんの体調や不安などの思いを確認し、産後の手続きや生活についてお伝えすることができるようになったと聞いています。心配事や不安などを出産前に一緒に考えることで安心して出産・子育てを迎えられるよう、今後も妊婦さんに寄り添ったサポートをしていきたいですね。

桜井さん 初産のときは知らないことも多いので、とくに母乳をあげたいお母さんにとっては、妊娠中からこんなに着心地と機能が優れているグッズを知るきっかけがあるのはいいですね。健康推進課の対応もとても丁寧で、保健師さんの説明や桜川市の子育て支援体制などいろいろ説明してくださって、7年前と比べていい意味でとても変わっていて驚きました。子育てのスタートを応援されていると感じてとてもうれしいですし、心強いですね。

●ブータンで唯一のラーメン屋さんを経営

大塚市長 ブータンではどんなお仕事をされていますか?

桜井さん うちは、夫がブータン国内でただ一軒のラーメン屋さんをしています。

大塚市長 ラーメン屋さんですか!?

桜井さん 夫は日本のラーメンがすごく好きで、それをブータンで広めたいと、日本にいるときから学校に通ってスキルを学び、日本人が食べても「美味しい!」といわれる日本の味にこだわっていて、ブータンでもたくさんのお客さんが来てくれています。もとより日本食は海外でも十分にビジネスとして成立する世界に誇れるものだと夫は言っています。

大塚市長 それは、ぜひ食べてみたいですね。ブータンの公用語は何語ですか?

桜井さん 公用語はゾンカ語ですが、学校教育はすべて英語で行われているので、ブータンの人たちは子どもでも英語がペラペラです。なので、都市部でなくても、海外から来た観光客と地域の人が英語で話せて交流できて、お互いの刺激になります。とても小さな国ですが、海外に通用する可能性を感じますね。

大塚市長 そうですか。桜川市でもフィリピン・バコール市(カヴィテ州)と友好交流都市協定を結んでいて、スカイプで両市の小学校をつなぎ英会話による相互交流を実施しています。ブータンでは、おじいちゃん、おばあちゃんも英語で話しますか?

桜井さん 高齢の方は、ゾンカ語しか話さない人が多いので、子どもたちもおじいちゃん、おばあちゃんと話すときはゾンカ語で話します。インド・ネパールも近いので、インド・ネパールで使う言葉とゾンカ語、英語と3~4カ国の言語がぴょんぴょん飛び交っていて、言語に関してとても柔軟ですね。

●離れてみたからわかる桜川市の「変わらない」良さ

――故郷を離れて感じられる桜川市の魅力はどんなところでしょうか?

桜井さん 桜川市の良さは、ほっとする変わらなさ。とくに四季折々の豊かな自然は財産だと思います。「真壁のひなまつり」や「祇園祭」など、地域の年中行事が多いのも魅力です。「どんど焼き」(1月15日の小正月に行われるお札やだるまなどをお焚き上げする祭り)は、地域の子ども会が中心になって行われています。子どもたちが近所を歩いてお札などを集めてお小遣いをもらったり、当日は竹の棒につけたお餅をお焚き上げの炎で焼いて食べたりと、私も楽しく参加した行事でした。以前はほとんどの地域で行っていましたが、子どもが少なくなったことで中止になる地域もあると聞き残念です。
桜川市は行政支援もとても充実しているので、これで高校や都市につながる交通の便がもう少しよければ、家族単位で長く住み続けられるのではないかと思います。

大塚市長 市バス「ヤマザクラGO」も運行していますが、なかなか難しいですね。

桜井さん 私の父がブータンに来たときに、「懐かしい、昔の日本のようだ」と言いましたが、ブータン人の夫も桜川市に帰省すると、「ほっとする」と言います(笑)。ブータンの基幹産業は観光ですが、稲作が有名な農業の国でもあり、治安がよいのも桜川市と似ています。

大塚市長 いずれご家族でブータンから帰って来られたら、ぜひ桜川市で活躍してほしいですね。

――最後に、これから授乳服のプレゼントの対象となるお母さんたちへのメッセージをお願いいたします。

大塚市長 桜川市では、健診や相談体制の整備、経済的な負担の軽減など、妊娠から出産、育児への切れ目ない支援を充実して、妊産婦さんやお子さんが健やかに暮らせるまちづくりを目指しています。授乳服のプレゼントが、安心して子育てのスタートをしていていただける一助となればと願っています。

本日は、お忙しいなかありがとうございました。