2019年1月1日 朝日新聞

 

 

 

 

 

授乳服がママを自由に 子連れ出勤 変わる常識

モーハウス社長 光畑由佳

つくば市の授乳服メーカー「モーハウス」。

1997年夏、電車内で泣き止まない次女に授乳した時、恥ずかしさで顔を上げられなかった。

「人目を気にせず授乳できる洋服があれば、母親たちは自由に外出できる」

その年、肌を露出させない授乳服を開発。仕事場は自宅。いつの間にか、赤ん坊をあやし、授乳しながら働く光景が当たり前になった。

有限会社に移行した2002年に7人だった従業員は、今は45人。2005年には東京・青山にショップをオープンした。創業後約1年で1千枚だった販売枚数は、今では年間5万枚に。

子連れ出勤経験者は退職者を含め、約300人になる。

託児費用がかからず、子どもの成長を見守りたい女性のやる気も引き出せる。子連れ出勤という働き方に企業や自治体も注目しはじめ、講演依頼が相次ぐ。

光畑さんは「必要にかられ『我がまま』でいられるよう始めた子連れ出勤。子育てと仕事を分けるのが常識だった社会の方が、少しずつかわっていった」と話す。