1才の子のママ
カルテ8 「ほしいのだったらおっぱいをあげていたいが、噛まれるし回数が減ってきています」

卒乳したい。育休明けが4月なので5ヶ月後。

先月から1日1~2回の授乳に減ってきている。先々月は3~4回だった。ほしがらないのであげていなかった。

乳首を噛む。痛いので回数も減ってきている。くわえてもすぐ出ないし張らなくなってきている。ずっとくわえていると出てくる感じ。
ぐずる時と夜中に泣いた時だけあげているが、朝は朝ごはんをすぐにあげれば大丈夫。
離乳食は大すき。
欲しいのだったらおっぱいをあげていたい。

 

A: 「ごく自然に卒乳してみるのも「有り」。お子さんの感情を「おっぱいなしで」受け止める準備を」

お子さんが1才で、母乳を飲む意欲も強くない。ママとしては「乳首が噛まれて痛いこともあり、欲しいのだったらあげていたいが卒乳も視野に入れている」、というご相談ですね。

授乳が軌道に乗っていると、1才から2才くらいまでに一番ガツガツとおっぱいに執着する様子をよく見かけます。
そういう時期に卒乳を考えているなら、多方面からの観察が必要かもしれません。
でもおっぱいへの執着が薄く、離乳食もよく食べるし、ママも卒乳しても良い、と考えているなら、このままごく自然に卒乳してみるのも「有り」かもしれません。

卒乳すると、ママとのつながりである授乳タイムがなくなるので、お子さんの心身の成長に対して、栄養面だけでなく、甘えたい・泣きたい・もどかしい・苦しい、などいろいろなお子さんの発する感情を「おっぱいなしで」受け止める準備をしていく必要があります。
と言っても難しく考える必要はありません。
抱きしめたり、絵本を読んであげたり、一緒に遊んであげたりとおっぱいの代わりにたっぷりスキンシップをすることで心の栄養補給をしてあげると、うまくいくことが多いです。(カルテ9参照)

もし今できる工夫をして、もう少し授乳の時間を楽しみたいなら、ぜひいろいろ試してみてください。まず乳首の痛みについて。
実は乳首を噛まれるというご相談は1才前の時期に多く寄せられますので、母子ともに授乳に慣れてきての生活の変化があるかもしれません。

シンプルな食事でかまわないので、しっかりと栄養をとり、よく噛むメニューにして、食事の時間を楽しみながら食べてみてください。
例えばみそ汁にジャガイモや大根など、歯応えのある食材を使うなど。
凝ったメニューではなくて良いので、例えばチーズやリンゴなど、子どもが一緒に噛み取れるようなものを少し使ってみてもよいかもしれません。

それから、ストローの使い方を覚え始めた時期にも重なるので、面白がって同じ調子でおっぱいを噛んでしまうということもあります。
噛まれたら我慢しないで「ダメ」と分かりやすい態度でおっぱいから離し、「ママは痛いから噛まないで」と言い聞かせ、噛まれたら必ず離す・・・を繰り返して教えるようにしてみてください。

そして傷ができている場合の乳首のケアですが、授乳のあと傷口を乾燥させてから、ランシノーや馬油またはベビーオイルなどを患部に塗り、保湿した状態で、さらに次の授乳までラップなどでその状態を保つと傷の治りが早いと聞いたことがあります。

授乳時には、抱き方を換えるなどで、乳首に当たる角度を変えてみるのも有効です。
傷のある方からの授乳は間引いて、反対側の乳首からの授乳でつなぎながら、傷口の手当を優先してみる、など。

また、お子さんの興味が外部に広がっているなら、昼間はしっかり遊んで、離乳食を食べる一方で、夜間や朝夕の時間におっぱいを優先して、たくさん飲んでもらうようにしてみるなど、遊ばせ方で工夫する方法もありますので、試してみてはいかがでしょうか。

相談員 竹田喜久子