もうすぐ3才の子と1才の子のママ
カルテ4 「自然にやめたいし上の子の気持ちを大事にしたいが、きょうだい授乳に疲れました」

 

きょうだい同時授乳をしているのですが、疲れています。
上の子に飲まれると嫌になるのですが、調子の良い時は大丈夫で気持ちに落差があります。
おっぱい大好きな上の子のきもちを大事にしたい。できれば自然にやめたい。でも来月末に3才になるし、誕生日にやめようかと迷っています。
生理がこないのも不安に思っています。

A: 「いやいやだと、子どもも自分もつらいですから無理のない範囲で、お休みを取りながら、「どうしようか?」考えてみては」

疲れても無理ない状態ですね。
2人のお子さんの育児、毎日、本当におつかれさまです!!!大人1人で、小さな子ども2人を世話するのは、気力と体力をたくさん使いますよね!!
たぶん、ほとんど毎日ワンオペ状態で育児していらっしゃるのではないでしょうか。疲れるときがあるのも、いやになるときがあるのも、無理もないですーー。

もしかしたらパートナーの協力が難しく、祖父母など助けてくれそうな身内も近くに居らっしゃらないのかもしれませんが、それでも人手を増やすことを考えてみませんか?
疲れきってママが心と体を壊してしまうことがないようにできれば他の人にも力を借りて育児や家事をわりふってほしいです。

日夜、乳幼児の育児という大事業をしているご自分に、優しくしてくださいね。お休みも取れるといいなと思います。
2人のお子さんを信頼できる人へ預けて、のんびり、ひとりの時間を持つのです。寝て休んでもいいし、美容院やスパに行ってもいいし、友達とおしゃべりしたり、遊びに行ったり。
預けている間、家事はしないでくださいね。純粋に自分のために、時間を使ってください。

きょうだい授乳、すてきですね!幸せな時間だと思います。

私も、きょうだい授乳をしていました。1人目の子と2人目の子のときと、3人目と4人目の子のときです。
5才と3才で同時授乳とか。(笑)途中で子ども同士が相談して左右交替したりして、かわいかったです。

でも、私も、疲れてできないときがありました。そういうときは、理由を説明して、断っていました。
必ず、理由を説明するのがポイントです。

たとえば、「今日はママ、くたびれちゃったの。だから、おっぱいは、お休みさせて
ね。また今度ね。」というふうに。そうすると、子どもは、「ママの事情なんだな。子どもの自分がきらわれたからではないんだな。」とわかるので、安心できます。事情を説明しないと、子どもは「自分がわるいのかな」と思ってしまいます。事情を説明しても子どもが「わーん、おっぱい欲しい~。」と泣く場合は、その気持ちだけを受けとめて尊重します。

「そうかそうか、おっぱい、欲しいんだね。」「飲みたいよねー。」
「ママが疲れてて飲めないなんて、いやだよねえ。」「ほんとは飲みたいのに、ガマンしてくれてありがとうね。」
そんなふうに、子どもの気持ちを受けとめると、子どもは安心します。

安心すると、おっぱいの回数も自然に減っていくと思います。

下のお子さんを預けて、上のお子さんと2人でデートするのもおすすめです。
1時間とか、2時間でもいいです。お散歩したり、美味しいものを食べたり、絵本を読んだり、スキンシップしたり。おっぱい以外のラブラブタイムも増やしましょう。

大好きなママと2人きりの時間を持てると、上の子が大喜びして安心して、流れがいい方向に行きます。

そして生理が来ないことが心配とのこと。授乳中は、生理が来ないことがあります。(個人差があります。)
以前、日本母乳の会のシンポジウムで、「生理が来ないけど大丈夫ですか?」と質問したママがいました。医師が、「授乳中に生理が来なくても、心配は要りません。生理のない日々を楽しんでくださいね。」と答えていました。
どうして心配いらないのかを母乳110番顧問で産婦人科医村上麻里先生が「授乳している間、生理は来ないはず?」に書いていますので、読んでみてくださいね。

ただ、もしママが貧血や栄養不足でフラフラだとすると、心配です
2人のお子さんに授乳している分、美味しいご飯をいっぱい食べてくださいね。
栄養のあるおかずや、具沢山のおみそしるなど。授乳中は、ごはんを2杯食べていた、というママもいます。

きっと、今がピークで、授乳回数は上のお子さんも下のお子さんも、少しずつ減っていくと思われます。子どもは育って、他にもできること、楽しいことが増えていくからです。

母乳は、何歳でやめてもいいです。世界平均は4.2歳だそうです。
長く授乳して、わるいことは何もありません。
もちろん、0才でやめても、1才でやめても、2才でやめても、3才でやめても、やめる時期は自由です。
他の人と比べずに、ママとお子さんのペースで決めて大丈夫です。

いやいやだと、子どもも自分もつらいですから無理のない範囲で、お休みを取りながら、「どうしようか?」考えてみてはいかがでしょうか。

~授乳している間、生理は来ないはず?~

1 生理の再開

無月経は、次の妊娠を遅らせるホルモンの働きによるものです。(プロラクチンの上昇がゴナドトロピンを抑制し、排卵がおこらない)
かなり個人差が大きく、産後2カ月で生理が来る人も、2年以上来ない人もいます。自律授乳をしていると、平均14.6ヶ月で再開するといわれています。

2 体への影響

産後6ヶ月未満の無月経で、母乳だけしか与えていない場合は、避妊に役立ちます。
卒乳しなければ、妊娠しないわけではありません。長期の無月経で妊娠希望の場合は、授乳を継続するかどうかを検討します。卒乳後3ヶ月以内で月経が再開することが多いです。
骨粗しょう症が心配と言われますが、実際は授乳中の骨密度は一時的に減るだけで、その後の骨密度は元に戻るか、やや高い状態になります。

3 生理中の授乳

疲れやすい、出にくいと感じる人もいます。出なくなる、まずくなる?などと言われますが、根拠はなく、母乳が減ることはありません。
ただ、生理の前後では、ホルモンに変化があるので赤ちゃんの飲み方が変わるかもしれません。
生理が再開した後、授乳回数やパターンの変化はあり得ますが、母乳が止まる心配はありません。

(おにぎり通信NO251「麻里先生に聞きました、おっぱいの医学的質問と回答」より引用)

相談員 すずきともこ

快適母乳育児生活研究所 上席研究員