2才すぎの子のママ
カルテ2 「下の子がほしいので卒乳したいが、無理に止めるのは可哀想?」

卒乳、断乳について悩んでいます。
無理に止めたら可哀想かなと思いつつ、生理が戻ってこないのも不安です。

妊娠中の授乳が原因で流産したという話を聞いたので、出来れば第2子を授かる前に止めたい。下の子がほしいのであせっています。
実家の母親が「もう大きいのにやめないとオカシイ」と言うし、周囲もうるさいので外では飲ませたくない。

家ではまあ飲ませてもいいかなという感じです。昼間仕事しており、夜中の授乳があります。

2才になって理解するようになってきたので、決断すべきかな?と思いつつズルズルと授乳を続けながら悩んでいます。

 

A: 「卒乳時期はママと子どものカップルが決めること。周囲は黙って見守って」

2才だし決断しなければ、とお思いになったとのこと。そして周囲の圧力も凄いとのこと。そういうご相談はとても多いです。
でも卒乳の時期はママとお子さんのカップルが決めることです。
周囲の人のアドバイスは、恋人同士に「あなたたち、いつ別れるの?」と聞くようなもので、余計なお世話(笑)なのだそうですよ。
お子さんと相談してもいいし、自然に任せるのか、期限を決めて卒乳トライするのかもあなたが選んで良いと思います

ただ、これも恋愛と同じで、卒乳も「逃げると追いかけたくなる」「追いかけられると逃げたくなる」傾向があります。
「大人になるまで飲んでいる子はいないし、もういつまで飲んでいたっていいや」くらいにママが開き直ってみるのも一つの方法。
それでかえって離れていく場合があります。

それから長く母乳をあげることの弊害はないのでしょうか?と聞かれることがありますが「ありません」。
ユニセフとWABAが提唱してWHOが認めた方法(カルテ1参照)で、長く続けても構わないと思います。

妊娠中の授乳についての心配については、母乳110番顧問、産婦人科専門医の村上麻里先生のコメントを引用しますので、読んでみてください。

~妊娠中の第1子への授乳は続けても大丈夫?~

  • 初期の流産とは無関係

初期流産の原因の多くは、受精卵の問題で、ほとんどは染色体異常によるものです。
妊娠初期の授乳と流産率の関連はなく、乳頭刺激で子宮が収縮するのは、妊娠24週以降です。

  • すぐにやめる必要はない

第2子妊娠中に自然卒乳する例は60~70パーセントです。
初期では子宮収縮は起きないので、あせって授乳をやめる必要はなく、急にやめると上の子が不安定になることがあります。

  • 継続を考えるべきケース

授乳の継続を検討する必要があるのは下記の場合です。
A)前回の妊娠が流産や早産だった
B)授乳すると出血、腹痛、子宮収縮がある
C)母の体重が減り続ける

  • アドバイスするときの注意点

お母さんの気持ちを第一に考える。
お母さんはどうしたいのか?
・上の子どもの寝かしつけに必要
・気持ちは続けたいが不安
・他の理由で卒乳を考えていて、妊娠がきっかけになると思った
など、いろいろな場合があります。

(おにぎり通信NO251「麻里先生に聞きました、おっぱいの医学的質問と回答」より引用)

 

相談員 竹中恭子

快適母乳育児生活研究所 上席研究員