2才の子のママ
カルテ5「やめた方が母は楽?子どもは執着しており、復職を前に気持ちが揺らいでいます。」

卒乳した1ヶ月後から復職する予定ですが、気持ちが揺らいでいます。

子どもは執着しています。

先週熱を出して保育園を休んでいた時、ぐったりしている様子を見てやめるのがかわいそうに感じました。
母自身、やめた方が楽なのかな?という迷いがあって悩んでいます。

A: 「お気持ちで決めて良いと思いますが、お互いに離れる生活に慣れてから卒乳を考えてみては」

お子さんの様子をママはしっかり受け止められているからこそ気持ちは揺らぐのではないでしょうか。

ママ自身も復職に向けて、心の準備も含めて何かと落ち着かない時かもしれません。
ママがお仕事を始めるということは、お子さんにとってもこれまでの生活ペースが少し変化しますものね。
例えば保育園のお迎え時間がこれまでより少し遅くなるとか。それを考えると、お子さんにとってママのおっぱいは、環境の変化に慣れるまでの気持ちの安定剤の役目にもなるのかなとも思います。
ママのおっぱいの状態などが大丈夫ならば例えば、今は、「お子さんとママお互いの気持ちが楽な方が楽」、という考えもあるのかなとも思いますが、いかがでしょうか。

ママも復職が落ち着いて、お子さんも新たな生活ペースに慣れてから改めて卒乳のことをお子さんとお話してみるのも一つですよね。
お互いに気持ちが落ち着いているから、スムーズに卒乳のお話しができるかもしれませんよね。

私が保育士として勤務していた時、とあるママからこんなお話しを聞きました。お子さん2児クラスの時。
保育園のお迎え後お家に帰ってから、すぐにおっぱい。何もできなくて参ったなと思うけれど、平日ゆっくり子どもと触れ合う時間はこのおっぱいの時間だけなので愛おしいと思えている。おっぱいはくわえているだけだけれど気持ちが満足するのか、お腹すいた!と騒ぐこともなく夕飯ができるまで一人で遊んでいてくれる。私はこのペースで落ち着いている。」
ちなみにこのお子さんは3で卒乳。ママがおっぱいバイバイのお話しをして、卒乳の儀式(おっぱいにお顔を描いて)の卒乳でした。

自然卒乳をめざしたいけれど、復職を機におっぱい生活を辞める場合もありますし、先ほど書いたようにお子さんと話合って時期を決める人もいます。
復職しても、このお子さんの例のように、変則授乳(カルテ3参照)で母乳育児を続ける方もたくさんいらっしゃいます。みなさん本当にいろいろです。

(こんなケースも!「卒乳お悩みカルテ 1 離乳食を食べてくれません」)

ただ、おっぱい辞めた方がラクかどうかについて少しお話しますと、執着している子の場合なおさらですが初めてママと離れた時間を過ごす時に、おっぱいという母子ともに便利だった手立てをなくすことは、「逆に大変になってしまった」という結果になる場合が多いので、それはお伝えしておきたいと思います。

夜、授乳しなくて済む。授乳そのものをしなくて済むイコール一人で行動出来る、ぐっすり眠れる、と思って断乳に踏み切ろうとするママは多いです。

でも実際にやってみると、おっぱいに勝る安心感を得る手立てはすぐには見つからず・・・
ママの耳たぶを真っ赤になるくらい触らないと寝つけなかったり、指しゃぶりが激しくなったり夜泣きに苦しめられたり、かえって後追いが激しくなったり。
おっぱいに替わる何かを求めてお互いに苦しんでしまうことが多いです。

もちろん、あっさり辞められて何の問題もないという場合もありますが、そういう方は稀で、ほとんどの方が「辞めればラクになると思っていたら違っていた」とおっしゃっています。

こうした経験談を多く聞いているために、母乳110番では、「職場復帰に間に合うように卒乳したい」お気持ちは否定しないし、もちろんそれでもいいけれど「もしも今すぐ辞めなくても大丈夫なようでしたら、まずは母乳育児を続けたまま職場復帰して、ママもお子さんも、お互いに離れる生活に慣れてから卒乳を考えてみてはどうでしょうか」とお伝えしています。

あなたの場合もお気持ちで決めて良いと思いますが、他のママたちの体験談としてはそんな感じなので、職場復帰してから改めて卒乳を検討してみてはいかがでしょうか。

相談員 向川順子